ホームページ乗り換え

ホームページ制作会社を変えるときの手順—ドメイン引き継ぎと乗り換えの流れ

ドメインと検索順位を守りながら、スムーズに新しい会社に乗り換える手順。

ホームページの制作会社を変えたいと考えるとき、多くの人が不安に思うのが「今のドメインやデータはどうなるのか」という点だと思います。長年使ってきたドメインを失うことは、検索エンジンの評価を失うことにもつながるからです。ただ、正しい手順を踏めば、新しい制作会社に乗り換えながらも、ドメインもデータも引き継ぐことは十分可能です。私の見てきた範囲では、むしろ乗り換え前にしっかり準備できた企業ほど、スムーズに新体制に移行できています。 この記事では、制作会社を変えるときに必要な準備と、実際の手続きの流れを、できるだけシンプルに整理してみました。 ■ 制作会社を変える前に必ず確認すること 制作会社を乗り換える前に、まず3つのことを確認する必要があります。 1つ目は「ドメインの所有者が誰か」という点です。ドメインは、インターネット上の住所ではなく、あくまで「名前」です。その名前を登録・管理している人が所有者となります。制作会社が所有者になっているケースもあれば、あなた自身や会社が所有者になっているケースもあります。所有者を確認するには、ドメイン登録サービス(お名前.comやムームードメインなど)にログインして、登録情報を見ることで分かります。制作会社が管理していた場合は、所有者を変更してもらう必要があります。 2つ目は「サーバーの契約情報」です。ホームページを公開するには、サーバーという情報を保管しておく機械が必要になります。このサーバーが誰の契約になっているか、契約者はあなたか制作会社かを確認しましょう。乗り換え時には、今のサーバーから新しいサーバーに、ホームページのファイルをコピーする作業が発生します。 3つ目は「サイトのバックアップやソースコード」です。今のサイトがどんなプログラムでできているか、ファイルがどこに保管されているか、制作会社から情報をもらっておくことが大切です。これがないと、新しい会社が一から作り直す羽目になり、時間も費用もかかります。 ■ 新しい制作会社に乗り換えるときの流れ ドメインとサーバーの確認ができたら、以下の手順で進めるとスムーズです。 まず、新しい制作会社を決めます。このときに大切なのは「今のドメインを引き継ぎたい」「今のサイトのデータがある」という条件を、最初からはっきり伝えることです。会社によっては、古いサイトからのデータ移行を得意としているところもあれば、新規制作しか経験がないところもあります。乗り換えの実績があるか、事前に聞いておくと安心です。 次に、今の制作会社にドメインとサーバーの情報を引き渡してもらいます。ドメイン所有者がまだ制作会社のままなら、あなたの名義に変更してもらいます。サーバーのアクセス情報(FTPアカウントなど、ファイルにアクセスするための鍵のようなもの)も、新しい会社が今のサイトを確認するために必要になります。この段階では、古いサイトを削除してはいけません。新しい会社がデータを確認・コピーできなくなるからです。 それと並行して、新しい会社と新しいホームページの内容や設定を詰めていきます。このときに、今のサイトから「どの情報を引き継ぐか」を決めます。全て新しくしたい箇所もあれば、そのまま生かしたい情報もあるでしょう。 新しいサイトが完成したら、ドメインを新しいサーバーに向け直す作業(DNS設定変更)をします。これは、「この名前(ドメイン)は、これからはこのサーバーを見てね」と案内するイメージです。変更から実際に反映されるまでに数時間から24時間程かかります。この間、サイトが一時的に見られなくなることもありますが、正常な状態です。 反映が完了したら、古いサーバーは解約します。ただし、すぐに解約せず、念のため1~2ヶ月は契約を続けておくと安心です。何か問題が起きたときに、すぐに戻せるからです。 ■ 検索順位が下がらないようにするための注意点 乗り換え時に多くの人が心配するのが「検索順位が落ちないか」という点です。正しく手順を踏めば、順位が大きく下がることはありません。ただし、いくつか注意が必要です。 1つ目は、ドメインは絶対に変えないことです。ドメインは、検索エンジンが「このサイトの評判」を判断するためのラベルのような役割を果たしています。ドメインを変えると、検索エンジンからは「新しいサイト」と見なされ、今までの評価がリセットされます。 2つ目は、ページのURLをできるだけ変えないことです。サイトの内容は新しくしても、ページのURLが同じなら、検索エンジンは「同じページが更新された」と判断します。URLを変えざるを得ない場合は、古いURLから新しいURLへ「引っ越しました」と案内する設定(301リダイレクト)を必ず入れましょう。 3つ目は、乗り換えから数週間は、サイトの更新や大きな構造の変更を避けることです。検索エンジンがサイトを改めて評価し直すプロセス中に、大きな変更が入ると、一時的に順位が変動することがあります。 こうした注意点は、新しい制作会社がすでに対応してくれることがほとんどです。ただ、あなた自身も知識として持っておくと、乗り換えのプロセスがより透明に見えるようになるはずです。 ■ よくある質問:何が理由で乗り換えたくなるのか 私の経験上、制作会社を変えたいというご相談で多いのは、次のような理由です。 「制作会社と連絡が取りづらくなった」。これが最も多いです。最初は熱心でも、時間が経つと返信が遅くなったり、小さな修正に対応してくれなくなったりするケースです。 「月額費用の内訳が不透明」。何にいくら払っているのか、説明を受けたことがないというご相談も多いです。 「スマートフォンでの見た目が古い」。10年前のサイトを使い続けている場合、スマホ対応が甘いことがあります。 「自分で更新したいのに、仕組みが複雑」。ホームページは作ったら終わりではなく、情報を定期的に更新する必要があります。独自の管理画面になっていて、新しい会社では操作方法が分からず、修正を頼むたびに費用がかかるようなケースです。 こうした理由で乗り換えを考えているなら、新しい会社を選ぶときに「連絡の取りやすさ」「月額料金の明確さ」「スマートフォン対応」「自分で更新できる仕組み」を重視して選ぶことが大切です。 ■ 乗り換えにかかる時間と費用 実際の乗り換えにかかる時間は、サイトの大きさにもよりますが、準備を含めて1~2ヶ月が目安だと思っています。小さなサイトなら1ヶ月以内、複雑なサイトなら2ヶ月近くかかることもあります。 費用は、新しいホームページを制作する場合と同じく、制作会社によって異なります。ただし、乗り換えは「今あるものをベースにする」ので、完全な新規制作よりは時間がかかりません。制作会社に「乗り換えです」と伝えれば、それに応じた見積もりをしてくれるはずです。 ただし、「今のサイトがあまりに古く、ソースコードが失われている」など、乗り換えではなく結果的に作り直しになるケースもあります。その場合は、新規制作と同じくらいの費用がかかる可能性があります。契約前に「どこまで既存の資産を引き継げるか」を新しい会社に確認することが重要です。 制作会社を変えることは、決して難しくありません。大切なのは、乗り換え前に「ドメイン」「サーバー」「データ」の3つを確認し、新しい会社に正確に情報を渡すことです。正しい手順を踏めば、ドメインも検索順位も守りながら、新しいサイトへ移行できます。当社でも、制作会社からの乗り換えのご相談を承っています。何か不安に思うことがあれば、お気軽にご相談ください。