業種別のホームページ工務店

工務店のホームページ作り変え—施主が問い合わせ前に見る情報とは

施工事例・会社の実体・対応範囲を、更新し続けられる形に

森啓亮(代表) / CRE-COMSENCE(クリコムセンス)

工務店のホームページを作り変えるとき、施主が問い合わせ前に見ているのは、施工事例(どんな家・工事を手がけているか)、会社と人の実体(誰が作るのか、所在地や許可)、対応範囲(エリア・工事の種類・進め方)の3つだと考えています。デザインを新しくすることより、この3つが最新の状態で載っていて、公開後も自分たちで施工事例を足していける形にすることを先に決めるのが、作り変えの土台になります。

施主は問い合わせ前に工務店の何を見ているか

工務店のホームページを作り変えるとき、施主が問い合わせの前に確認しているのは、大きく「どんな家や工事を手がけているか(施工事例)」「誰が作るのか(会社と人の実体)」「自分の条件に合うか(対応エリア・工事の種類・進め方)」の3つだと考えています。デザインの新しさよりも、この3つが揃っているかが先だと思っています。

住宅や店舗の工事は金額が大きく、着工してからのやり直しがききません。そのため施主は、電話をかける前にホームページで「この会社に頼んで大丈夫か」をひととおり確かめようとします。私の見てきた範囲では、確認されているのはおおむね次の内容です。

  • 施工事例: 完成写真だけでなく、施主の要望、間取りや動線の考え方、工期、どの地域の物件か
  • 会社と人: 代表や職人の顔写真、事務所の所在地、建設業許可の有無と番号、設立からの年数
  • 対応範囲: 対応エリア、新築・リフォーム・増改築・修繕のどれを受けているか、受けていない工事
  • 進め方とお金の流れ: 相談から見積り、契約、着工、引き渡しまでの段取りと、概算の出し方
  • 連絡手段: 電話だけでなく問い合わせフォームがあるか、返信までの目安が書かれているか

北海道の場合は、断熱や暖房の考え方、冬期の工事をどう扱うかに触れているかどうかも見られやすいところだと思っています。これは営業文句としてではなく、「この地域で建て続けている会社だ」という事実として伝わる部分です。

作り変えの打ち合わせでは、どうしてもデザインの好みから話が始まりがちですが、先にこの5つが揃っているかを点検したほうが、結果として迷いが少なくなると感じています。

古い工務店サイトで足りなくなりやすいのはどこか

古い工務店のホームページで足りなくなりやすいのは、施工事例が更新されていないこと、写真がスマホで見づらく重いこと、問い合わせ手段が電話だけで受け皿がないことの3点です。これらは見た目の古さとは別に、施主が判断に使う情報そのものが欠けている状態にあたります。

次のような状態が複数当てはまる場合は、部分的な修正よりも作り変えを検討したほうが早いことが多いと感じています。

  • 施工事例の最終更新が数年前のまま: 施主は「今も動いている会社か」を更新日で見ます。件数より、直近に動きがあるかどうかが効きます。
  • スマホで写真が見づらい: 住宅の情報は移動中や夜にスマホで見られることが多く、横スクロールしないと全体が見えない写真は最後まで見てもらいにくくなります。
  • 写真が重く表示が遅い: 一眼で撮った写真をそのまま載せていると、1枚数メガバイトになります。作る側では、表示サイズに合わせた縮小と圧縮、画面に入ったときに読み込む遅延読み込みを入れて調整します。
  • 問い合わせ手段が電話だけ、またはフォームが動いていない: 現場に出ていて電話に出られない業種ほど、フォームの受信が止まっていることに気づきにくいです。
  • アドレスが「http://」のまま: 通信を暗号化するSSL(正式にはTLSといいます)が設定されていないと、ブラウザに「保護されていない通信」と表示されます。作り変えの機会に合わせて設定するのが現実的です。
  • 対応エリアや営業時間、許可番号が古い: 小さな情報の食い違いですが、施主が確認したい項目そのものです。

2026年9月時点では、スマホからの閲覧を前提に作り直すこと自体は珍しくなくなりました。作り変えの判断は、見た目の古さよりも「施主が見たい情報にたどり着けるか」で見るほうが納得しやすいと思います。

施工事例の写真と掲載で気をつけたいこと

施工事例の写真で気をつけたいのは、施主からの掲載許可を書面で残すこと、写真ファイルに記録される位置情報(Exif)を公開前に取り除くこと、掲載サイズに合わせて縮小・圧縮することの3点です。いずれも作り変えのタイミングで、投稿するたびに自動で処理される形にしておくのが現実的だと思っています。

  • 掲載の許可を書面で残す: 外観だけか内観も可か、所在地をどこまで書くか、後から削除を申し出られるかを、引き渡し時の書類の中で決めておくと、あとで困りにくくなります。
  • 写真に埋まっている位置情報に注意する: スマホやカメラで撮った写真には、撮影日時や撮影場所の緯度経度がExifという形式でファイルの中に記録されていることがあります。そのまま公開すると、施主の自宅の場所が特定できてしまう可能性があります。作る側では、アップロードされた画像から位置情報を取り除く処理を通す、または投稿前に取り除く運用にしておきます。機種やアプリの設定によって記録の有無は変わるため、撮る側の設定だけに頼らないほうが安全です。
  • 写真の大きさを揃えて縮小する: 縦横の比率がばらばらの写真が並ぶと、一覧の見え方が崩れます。掲載時に自動で縮小・圧縮されるしくみにしておくと、現場でスマホから撮ってそのまま投稿しても表示が重くなりません。
  • 1件につき数枚を組で撮る: 外観、主要な居室、施主が要望した部分、可能なら着工前。この4枚があると、写真だけで工事の内容が伝わります。
  • 北海道では撮影時期が偏ることを見込む: 積雪期は外観の撮影が難しく、春以降にまとめて撮ることになりがちです。着工前の写真を先に撮っておくと、季節をまたいでも記事として成立します。

作り変えた後、自分たちで更新を続けるには

作り変えた後に自分たちで更新を続けるには、更新する場所を施工事例とお知らせの2つに絞り、現場のスマホから写真を送るだけで投稿できる導線を用意しておくことが現実的です。パソコンで専用画面を開き直す前提の運用は、現場に出ている工務店では止まりやすいと感じています。

  1. 1更新する場所を2つに絞る。施工事例とお知らせだけを自分たちで触る範囲と決め、会社概要や料金の考え方など変更頻度の低いページは制作側に任せる形にすると、迷う場面が減ります。
  1. 1現場で撮ってその場で送れる導線を用意する。パソコンを開き直す前提にすると、更新は止まりやすくなります。当社の場合は、自社開発のCMS「UpNote」を標準で組み込み、LINEからお知らせを投稿できるようにしています。
  1. 1頻度を先に決める。月1件の施工事例、または月2回のお知らせ、といった小さな約束にしておくほうが続きます。件数より、途切れないことのほうが施主には伝わります。
  1. 1問い合わせの取りこぼしを防ぐ。フォームの通知先を代表者だけでなく事務担当にも設定し、受信箱の形で残るようにしておくと、メールの見落としで問い合わせが消えることを避けられます。
  1. 1半年に一度、事実の欄を点検する。対応エリア、営業時間、建設業許可の更新、担当者の変更など、施主が判断に使う情報だけを見直します。

当社の場合は、この更新のしくみを含めて初期費用50,000円+月額7,980円(税別、2026年9月時点)のワンプランでお引き受けしていて、更新回数による追加料金はありません。料金の形は会社によってさまざまなので、見積りを比べるときは「公開後に自分たちで更新できる範囲がどこまでか」を一緒に確認してみてください。

よくある質問

Q.施工事例は何件くらいから載せ始めればよいですか?
A. 件数の基準は特にありませんが、私の考えでは1件でも先に公開して、その後に足していく形が現実的だと思っています。1件しかない場合は、写真の枚数を増やし、施主の要望と工夫した点を文章で補うと、件数の少なさが気になりにくくなります。反対に、写真だけが何十件も並んでいて説明がないページは、施主が自分の希望と照らし合わせにくくなります。
Q.施主から施工事例の写真掲載の許可はどう取ればよいですか?
A. 口頭だけで済ませず、掲載する範囲を書面やメールで残しておくことをおすすめします。外観の可否、内観の可否、所在地をどこまで書くか(市区町村までなど)、家族や車が写った写真を使わないこと、後から削除を申し出られることを、あらかじめ文章にしておくと双方が安心できます。引き渡し時の書類一式にその同意書を含めておくと、依頼のたびに聞き直す手間も減ります。
Q.作り変えで古い施工事例ページは削除してもよいですか?
A. 作り変えのときに古い施工事例ページを消すこと自体は問題ありませんが、URLが変わる場合は古いURLから新しいURLへ転送(リダイレクト)の設定をしておくのが安全です。名刺やチラシ、他サイトから古いURLにリンクされていることがあり、転送がないと見に来た人がエラー画面に当たります。内容が古くて残したくない事例でも、一覧ページなど近い内容のページへ転送しておくと取りこぼしが減ります。
Q.工務店の求人ページを作り変えで追加するとき、何に注意しますか?
A. 求人情報をホームページに載せる場合、Googleしごと検索に表示させるには求人ページに構造化データ(検索エンジンに内容を機械的に伝えるための記述)が必要で、必須項目が1つ欠けるだけで表示されません。当社では公開後にGoogleのリッチリザルトテストで必ず確認しています。ただし表示されるかどうかは検索エンジン側の判断であり、設定しても表示を保証できるものではありません。