作り変えても自分で更新できないのはなぜか—更新できるサイトの条件
更新できる範囲は、作る段階の設計で決まります
森啓亮(代表) / CRE-COMSENCE(クリコムセンス)
ホームページを作り変えても自分で更新できないままになるのは、更新ツールが付いているかどうかより、ページのどの部分を「編集できる項目」として作ってあるかで決まるためです。管理画面は、あらかじめ差し替え可能にした枠だけを表示する仕組みなので、枠にしていない箇所は画面に出てきません。作り変えの前に、自分で直したい箇所を具体的に挙げて伝えておくと、公開後に依頼が必要な範囲をかなり減らせます。
なぜ更新ツール付きでも自分で直せないのか
作り変えても自分で更新できないままになる主な理由は、更新ツールが付いているかどうかではなく、ページのどの部分を「編集できる項目」として作ってあるかが、制作の段階で決まってしまうからです。編集項目にしていない箇所は、管理画面を開いても表示されません。
ホームページの中身は、HTMLという文字で書かれた設計図でできています。CMS(コンテンツ管理システム=管理画面から文章や写真を差し替える仕組み)は、このHTMLの中の特定の場所に「ここは差し替え可能な枠」という印を付け、その枠だけを管理画面に項目として表示しています。
つまり、作る側が枠にしていない箇所は、管理画面を開いてもそもそも出てきません。お知らせの投稿欄だけが枠になっていれば、お知らせは投稿できてもトップページのキャッチコピーや料金表は触れない、という状態になります。これは不親切というより、どこを枠にするかを作る前に決めきれなかった結果であることが多いと感じています。
もう一つは、仕組み以外の理由です。管理画面のURLやログインIDが渡っていない、操作の説明が公開日の口頭一回きりで資料が残っていない、担当者が代わってパスワードが分からない。技術的には更新できるのに、入口で止まっているケースもあります。
「自分で更新できる」はどこまでを指すのか
「自分で更新できる」には段階があり、どこまでを指すかを制作会社と揃えておくことが大切です。文章の差し替えとページの追加、レイアウトの変更では必要な仕組みがまったく違うため、同じ言葉のまま話が進むと、公開後に認識がずれます。
お知らせ・ブログの投稿: 自分で更新する形にしやすい / 依頼が必要になることは少ない
営業時間・定休日・電話番号: 自分で更新する形にしやすい。臨時休業の告知も含めて、ここは自社で直せるようにしておきたい箇所です
メニューや料金表の金額: 項目の数が変わらなければ自分で更新しやすい / 行を増やす・並び替えるには、あらかじめ「一覧として追加できる形」で作ってある必要があります
トップページのキャッチコピーや写真: 編集項目として切り出してあれば自分で更新できる / 切り出していなければ依頼になります。作り変えのときに希望を伝えておく価値が高い部分です
ページそのものの新規追加: 自分で追加できる形にもできる / ただし追加したページを案内する場所(メニューの並び)の調整は依頼になることがあります
デザイン・レイアウトの変更: 基本的に依頼する領域 / 無理に自分で触ると表示崩れや読み込み速度の低下につながることがあります
契約前に確認しておきたい5つのこと
作り変えを依頼する前に確認しておきたいのは、料金よりも先に「どこを自分で直せる形にするか」を見積もりの中身として書いてもらうことです。次の5点を聞いておくと、公開後に依頼が必要な範囲がかなり見えてきます。
- 直したい箇所を先に3〜5個書き出し、その箇所が管理画面のどこで直せるのかを、実際の画面で見せてもらえるか(言葉の説明だけでなく、操作画面を見るのが確実です)
- 更新のたびに費用が発生する契約か。回数や文字数による追加料金があるなら、その条件が見積書に書かれているか
- 管理画面のURL、ログインIDとパスワードが自社に渡されるか。渡されない運用の場合、その理由と、将来渡してもらえる条件
- ドメインとサーバーの契約名義が自社になっているか。名義が制作会社のままだと、更新以前にサイトを動かす権利が手元にない状態になります
- 公開後に操作手順の資料が残るか。口頭説明だけだと、半年後の担当者が困ります
当社の場合は、自社で開発したCMS「UpNote」を標準で載せ、お知らせ投稿や問い合わせの受信箱を月額に含めています(2026年9月時点・税別で初期50,000円+月額7,980円、更新回数による従量課金なし)。公開時に操作資料をお渡しするのも、ここで止まる方が多いと考えているからです。
公開後、自分で更新を始めるための手順
公開後に自分で更新を続けられるかどうかは、公開直後の1週間で決まることが多いと感じています。次の手順で「最初の1回」を済ませておくと、その後の更新が続きやすくなります。
- 公開日のうちに、自分の端末で管理画面にログインできることを確認する。スマートフォンから操作する場合、機種やOSのバージョンによって画面の見え方が変わるため、普段使う端末で試しておくのが確実です。
- 最初の1回を、制作担当者がいる場で実際にやってみる。お知らせを1本投稿し、公開され、必要なら削除するところまで通しで触ると、怖さがかなり減ります。
- 自社で更新する項目を3つに絞って決める。おすすめは「営業時間・定休日」「お知らせ」「料金や価格の数字」です。全部を自分でやろうとすると続きません。
- 更新する人と頻度を決めて、社内で共有する。月に1回、決まった曜日に見直すだけでも、情報が古いまま置かれる状態は避けられます。北海道であれば、降雪期の営業時間変更を書く場所をあらかじめ決めておくと迷いません。
- 半年たったら「直したかったのに直せなかった箇所」を書き出し、制作会社に相談する。多くは後から編集項目として追加できます。最初から完璧を目指すより、使いながら広げるほうが現実的だと思っています。
