セキュリティ写真の位置情報

スマホの写真に位置情報が残るのはなぜか—載せる前の確認

撮影場所が写り込む仕組みと、掲載前にできる確認

森啓亮(代表) / CRE-COMSENCE(クリコムセンス)

スマホで撮った写真には、画像データとは別に「Exif(イグジフ)」と呼ばれる撮影情報が一緒に保存されます。カメラアプリに位置情報の利用を許可していると、撮影した瞬間の緯度・経度がそこに書き込まれるため、場所が残ります。ホームページ用に縮小・圧縮して書き出した画像では取り除かれることが多いものの、原本をそのまま載せたり送ったりすれば残ったままになります。

📷 写真には画像以外に何が記録されているのか

スマホやデジタルカメラで撮った写真ファイルには、画像そのものとは別に「Exif(イグジフ)」と呼ばれる撮影情報が一緒に保存されています。撮影日時や端末の機種名、写真の向き、そして設定によっては撮影した場所の緯度・経度が含まれます。

Exifは「Exchangeable image file format」の略で、写真ファイルの中に撮影情報を一緒に収めるための決まりごとです。

多くのスマホやデジタルカメラが、この形式で情報を書き込んでいます。

代表的な項目は次のようなものです。

  • 撮影日時(何年何月何日の何時何分に撮ったか)
  • 端末の機種名やカメラの設定値
  • 写真の向き(どちらが上かを示す情報)
  • 撮影場所の緯度・経度(位置情報が有効な場合)

📷 ここで大事なのは、これらが画像の見た目には現れないという点です。

写真を開いても数字は表示されませんが、ファイルの中には確かに書き込まれています。

パソコンで写真を右クリックして詳細情報を見たり、スマホの写真アプリで情報を表示したりすると、地図付きで場所が出てくることがあります。それが、ファイルの中に緯度・経度が入っている状態です。

📍 なぜ撮影場所まで一緒に残るのか

写真に撮影場所が残るのは、カメラアプリがスマホの位置情報機能を使う許可を得ている場合に、撮影した瞬間の緯度・経度をファイルに書き込む仕様になっているためです。後から勝手に付け足されるのではなく、シャッターを押した時点で記録されます。

位置情報が入るかどうかは、カメラアプリに位置情報の利用を許可しているかで決まります。

許可していれば、シャッターを押した瞬間にスマホが把握している座標がそのままファイルに書き込まれます。

これは不具合ではなく、便利さのために用意された仕組みです。

写真アプリが「この場所で撮った写真」としてまとめてくれたり、地図上に旅の記録を並べてくれたりするのは、この情報があるからです。

📍 注意したいのは、後から付けられるのではなく、撮った時点で決まるという点です。

ですから「掲載する写真だけ気をつける」よりも、普段の設定をどうしているかのほうが影響が大きくなります。

なお、位置情報の許可は「常に許可」「アプリの使用中のみ許可」などに分かれている場合があり、表示の名称や場所は機種やOSのバージョンによって変わります。お手元の画面と文言が違うことは珍しくありません。

🔍 ホームページやSNSに載せると、その情報は残るのか

ホームページやSNSに載せたときに位置情報が残るかどうかは、掲載の経路によって変わります。制作側で画像を縮小・圧縮して書き出した場合は撮影情報が取り除かれることが多い一方、原本をそのまま載せたり送ったりすれば残ったままになります。

掲載や共有の経路ごとに、おおまかな傾向は次のとおりです。

  • 制作側がホームページ用に書き出した画像の場合 — 表示を軽くするために縮小・圧縮する工程で、撮影情報が落ちることが多いです。ただし使う道具や設定によるため、必ず落ちるとは言えません。
  • 原本の写真をそのまま載せた場合 — 何も処理していなければ、撮影情報はそのまま残ります。
  • SNSに投稿した場合 — 投稿時に取り除く処理をしているサービスが多いとされますが、仕様はサービス側の判断で変わるため、前提にしないほうが安全です。
  • メールやチャットで原本を送った場合 — 受け取った相手のパソコンでも、情報を見ることができます。

🔍 作る側の都合も少しだけ補足します。

撮影情報の中には写真の向きを示す項目があり、これを雑に削除すると写真が横倒しで表示されることがあります。そのため、先に向きを画像そのものに反映させてから、残りの情報を取り除く手順を取ります。

2026年10月時点では、画像を小さく書き出す道具の多くが同様の処理をしていますが、仕上がりは公開前に目で確かめるようにしています。

🧭 位置情報を残さないためにできること

位置情報を残したくない場合は、撮る前にカメラアプリの位置情報の許可を切るのが最も確実です。すでに撮った写真については、共有時のオプションで位置情報を外すか、掲載用に書き出す段階で取り除く方法があります。

  1. スマホの設定から、カメラアプリの位置情報の許可を確認します。掲載用の写真を撮ることが多いなら、ここを「許可しない」にしておくのが一番簡単です。
  2. 設定を変えても、過去に撮った写真の情報は消えません。すでにある写真は、写真アプリで開いて場所が表示されるかを確かめます。
  3. 共有するときは、共有画面のオプションに「位置情報を含めない」といった項目がある場合があります。あれば、そこを外してから送ります。
  4. 項目が見当たらない場合は、その写真をいったん編集して保存し直す、または制作担当に「撮影情報を取り除いて書き出してほしい」と伝える方法があります。
  5. 掲載前に、公開予定の画像をパソコンにダウンロードして詳細情報を見ると、最終確認になります。

⚠️ 画面の文言や項目の位置は、機種やOSのバージョンによって変わります。同じiPhone同士でも表示が違うことがあるので、見当たらないときは設定内の検索で「位置情報」と調べてみてください。

🔒 会社・お店として気をつけること

会社やお店として気をつけたいのは、公開したくない場所で撮った写真を、そのままホームページや資料に載せてしまうことです。特に自宅兼事務所、お客様のお宅での施工写真、スタッフから送られてきた写真は、撮影者の設定によって位置情報が付いたままになっている可能性があります。

  • 自宅兼事務所で撮った商品写真 — 店舗の住所は公開していても、自宅の場所までは知らせたくない場合があります。開業したばかりの個人事業主の方は、特に確認しておくと安心です。
  • お客様のお宅や現場で撮った施工写真 — 建物の外観に加えて座標まで残ると、どの家かが特定されやすくなります。掲載の許可とあわせて気をつけたい部分です。
  • 従業員やスタッフが撮って送ってくれた写真 — 撮影者の設定次第なので、社内で「掲載用の写真は位置情報を切って撮る」と決めておくと迷いません。
  • チラシやPDFに貼った写真 — ホームページから配布する資料の中にも、元の画像ごと入っていることがあります。

🔒 ホームページ運用との関係で言えば、お知らせや事例を自分たちで更新する会社ほど、この点が効いてきます。

更新のたびに写真を上げる運用では、誰が上げても同じ手順になるよう、撮影時の設定をそろえておくほうが現実的だと思っています。

情報の扱いについての一般的な注意喚起は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が継続して公開していますので、社内で共有する資料を探すときの参考になります。

掲載予定の写真の扱いで迷われた場合は、制作のご相談の際に遠慮なくお尋ねください。

よくある質問

Q.スクリーンショットにも位置情報は残りますか?
A. スクリーンショットには、原則として撮影場所の緯度・経度は記録されません。画面を写し取った画像なので、カメラの位置情報機能を使っていないためです。ただし画面に写っている地図アプリの表示や住所そのものから場所が分かることはあるので、写り込んだ内容は確認してください。
Q.位置情報を消すと、写真の画質や向きに影響はありますか?
A. 位置情報を消しても、写真の画質そのものは変わりません。ただし撮影情報の中には「どちらが上か」を示す向きの項目も含まれており、消し方によっては写真が横倒しや逆さまで表示されることがあります。見た目が変わった場合は、向きを直してから保存し直すか、制作担当に伝えてください。
Q.すでにホームページに載せている写真は、入れ替えたほうがよいですか?
A. すでに公開している写真をすべて入れ替える必要はありませんが、自宅兼事務所やお客様のお宅など、場所を知られたくない写真から確認するのが現実的です。写真アプリで元の画像を開き、場所が表示されるかを見れば目安になります。気になるものだけ、位置情報を含まない形で差し替えれば十分だと思っています。
Q.お客様から送られてきた写真を掲載するとき、何を確認すべきですか?
A. お客様や職人さんから送られてきた写真は、撮影者の設定によって位置情報が入っている場合があります。掲載の許可をもらうときに、撮影場所が分かる情報が含まれる可能性があることも一言伝えておくと安心です。掲載前に位置情報を取り除いて書き出す、と決めておくほうが確実だと考えています。