業種別のホームページ不動産業

不動産の開業時、ホームページに載せる免許番号と広告表示の基本

開業前に整えたい表示項目と、更新が止まらない作り方

森啓亮(代表) / CRE-COMSENCE(クリコムセンス)

不動産会社の開業時にホームページへそろえておきたいのは、免許証番号・商号・事務所の所在地・代表者名、そして物件ごとの取引態様です。あわせて、広告を出せる時期の制限と、成約済み物件を残さない運用を決めておく必要があります。表示義務の正確な範囲は法令と免許を受けた行政庁の運用で決まるため、最終確認は開業手続きの窓口や専門家にお願いしてください。

📝 開業時、免許に関わる表示はどこまで必要か

不動産会社(宅地建物取引業者)としてホームページで物件やサービスを案内する場合は、免許証番号・商号・事務所の所在地・代表者名を、会社概要ページとフッターの両方など見つけやすい場所にそろえておくのが基本だと考えています。ただし表示義務の正確な範囲は法令と免許を受ける行政庁の運用で決まるため、2026年10月時点の判断としても、最終確認は開業手続きの窓口や専門家にお願いしてください。

  • 免許証番号。「北海道知事(1)第○○○○号」のような形で、括弧内の数字は免許の更新回数を表します。更新したら書き換えが必要な箇所です。
  • 商号(屋号)、代表者名、事務所の所在地、電話番号。来店前に実在を確かめたい方が最初に探す情報です。
  • 物件を掲載する場合は、物件ごとの取引態様(売主・代理・媒介のどれか)。一覧ページだけでなく、各物件のページにも入るようにしておくと抜け漏れが減ります。

⚠️ 宅地建物取引士の設置や、事務所内での標識・報酬額の掲示といった事務所側の決まりは、ホームページの表示とは別の話です。混ざりやすいので、開業手続きの一覧とサイトの表示項目は別の紙に分けて管理すると整理しやすいと思います。

作る側の工夫としては、免許証番号や所在地をページごとに手書きせず、1か所で管理して全ページに差し込む形にしています。こうしておくと、更新時に直す場所が1つで済みます。

⚠️ 物件情報の広告で、特に気をつける点は何か

不動産の物件広告で特に注意したいのは、「まだ広告してよい段階でない物件を載せないこと」と「もう取引できない物件を残さないこと」の二つだと考えています。どちらも法令や業界の表示規約に関わる部分があり、具体的な線引きは最新の規定と免許を受けた行政庁の案内で確認する必要があります。

  • 広告を出せる時期 — 新築や造成中の物件は、必要な許可や確認が下りる前の広告が制限されます。着工前の情報をいつから出せるかは、行政庁や専門家への確認が前提です。
  • 成約した物件 — 取引できなくなった物件を載せたままにしない。問い合わせをいただいた方にも、見ていた物件が無いと伝えることになります。
  • 表現の言葉選び — 「駅前」「完売間近」のような言い方は、業界の表示に関する規約で使える条件が決められているものがあります。感覚で書かず、使ってよい基準を社内で一覧にしておくのが安全です。
  • 情報の鮮度 — 物件ページに更新日を自動で表示する。手入力だと、本文を直しても日付だけ古いままになりがちです。

🔍 作る側の視点をひとつ。成約した物件のページを急に削除すると、検索結果や他サイトのリンクから来た方が「ページが見つかりません」の画面に行き着きます。私はページ自体は残して「募集は終了しました」と明示し、同じ地域の一覧へ案内する作りにすることが多いです。表示は消しつつ、来た人を行き止まりにしない形です。

🔁 更新が止まらない形にするには、どう決めるか

更新が止まらないようにするには、物件情報を自社サイトでどこまで持つかを開業前に決め、載せる項目と更新のタイミングを型として固定しておくことが先だと考えています。機能を増やすより、担当者が毎週触れる範囲まで作業量を削るほうが続きます。

  1. まず、物件の一覧を自社サイトで持つかどうかを決めます。開業直後で件数が少ないうちは、一覧はポータル側に任せ、自社サイトは「扱うエリアと種別、相談の流れ」に絞る形でも十分成り立ちます。
  2. 自社サイトで物件を出すなら、載せる項目を先に型として固定します。写真の枚数、間取り、取引態様、更新日。型があると、担当が替わっても書く内容がぶれません。
  3. 更新のタイミングを決めます。たとえば新着は週1回、成約時はその日のうち、といった具合です。
  4. スマホから投稿・取り下げができる状態にしておきます。内見の合間に操作できないと、更新は後回しになりがちです。
  5. 冬季の臨時休業や、雪による内見時間の変更は、物件情報ではなくお知らせ欄で出す流れにしておきます。

📅 当社の場合は、お知らせ更新や問い合わせ受信を自社開発のCMS「UpNote」で行える形にして納品しています。手段は何であれ、「社内の誰が、どの端末から、何分でできるか」を公開前に決めておくことが、更新が続くかどうかの分かれ目だと感じています。

❄️ 実績がまだ無い時期、何を判断材料にしてもらうか

開業直後で取引実績の紹介が難しい時期は、「誰が・どのエリアで・どんな相談を受けるのか」を具体的に書くことが、実績の代わりの判断材料になりやすいと思っています。実績が無いことを隠すより、人と範囲をはっきり示すほうが問い合わせにつながりやすいと感じています。

例えば、次のような情報です。

  • 代表者の経歴。前職でどの地域のどんな取引を担当してきたか。会社の実績が無くても、人の経験は書けます。
  • 対応エリアを地名で具体的に。「札幌市西区・手稲区を中心に」のように書くほうが、「札幌全域」より心当たりが生まれやすいと思っています。
  • 相談から契約までの流れ。初回相談は何分か、費用はどの段階で発生するか。初めて不動産会社に行く方ほど、ここが分からずに連絡をためらいます。
  • 事務所の外観と入口の写真。雑居ビルの中にある事務所ほど、到着できるかどうかの不安が減ります。

❄️ 北海道では、暖房方式(都市ガス・灯油・オール電化)、駐車場の屋根の有無、除雪の分担といった項目を物件情報に入れておくと、問い合わせ前の判断材料になります。また、冬に撮った写真だけでは周囲の様子が分からないため、雪のない時期の写真もためておくと後で助かります。

不動産のように表示のルールがある業種では、公開前に表示項目を一覧にして一つずつ確認しています。開業準備中で現在の案を見てほしい場合は、お問い合わせからお声がけください。

よくある質問

Q.免許証番号の括弧内の数字は、更新のたびに直すのですか?
A. 免許証番号の括弧内の数字は免許の更新回数を示すため、更新のたびに表記を直す必要があります。会社概要ページとフッターの両方に書いている場合、片方だけ古いまま残ることがよくあります。更新手続きの予定をカレンダーに入れるとき、ホームページの修正も同じ日に並べて書いておくと取りこぼしにくいです。
Q.免許が下りる前に、ホームページを公開してもよいのでしょうか?
A. 免許が下りる前の段階で、宅地建物取引業としての営業や物件の広告にあたる内容を出すことは制限されると理解しています。一方で、屋号と開業予定・問い合わせ先だけの小さなページを先に公開しておく方法はあります。どこまでが広告にあたるかの線引きは、免許を受ける予定の行政庁や専門家に事前に確認してください。
Q.賃貸と売買の両方を扱う場合、サイトは分けるべきですか?
A. 扱う量が少ないうちは、一つのサイト内でページを分けるほうが管理しやすいと思っています。賃貸と売買では読む人の目的も必要な情報も違うため、トップページで入口を二つに分け、それぞれの相談の流れを別ページにする形です。サイト自体を二つに分けると、ドメインもサーバーも更新作業も二重になります。
Q.物件の外観写真が冬のものしかない場合、どうすればよいですか?
A. 冬に撮った外観写真だけだと、植栽や周辺の様子が雪で見えず、判断材料が減ってしまいます。可能なら雪のない時期の写真も撮りためて、両方を載せるのがよいと思っています。逆に、冬の駐車場や玄関まわりの写真は、除雪の負担を気にする方にとって役立つ情報にもなります。